VOL / WGWS 001

“SHIMIZUSAWA” meets “Due Mani”

「小庭事しみずさわ」小原良智さんが行く小澤智範さんのお店「Due Mani」

どんな料理があるのか、どんな商品があるのか、どんな店内なのか。色々あるお店の魅力。その中での大事な1つ『人』。その人があってそのお店がある。そして訪れる人がいてそのお店がある。シリーズ『Who goes who’s shop』(誰が行く誰の店)、第一弾は、シェフ小澤智範さんが営むイタリア料理のお店「Due Mani」(ドゥエマーニ)。訪れたのはPEOPLE003でもご紹介した「小庭事しみずさわ」の小原良智さん。

ディナータイムの「Due Mani」に入る。店内には時代や歴史、作り手の温度が感じられるとても魅力的な器や作品が要所要所に飾られている。2010年、8坪のスペースからスタートしたお店は、2018年に拡張。ゆったりとしたカウンタースペースが加わって今の姿に。深みのある店内の様子からも、料理へのこだわりをビシビシと感じとれる。

Location:Due Mani(盛岡市)

お店を訪れたのはPEPOLE003(https://www.folkjoe.com/yoshitomo-obara/)にてご紹介した『小庭事しみずさわ』の小原良智さん。『Due Mani』オーナーシェフ小澤智範さんとは、同じ茶道教室にて、一緒に茶道を習う仲である。庭と茶道、イタリア料理と茶道。。。これだけで、茶道に何があるのか、引き込まれそうである。。。小原さんは数ヶ月に1度、『Due Mani』を訪れるそうだ。ディナーの場合は料理も飲み物も小澤さんにおまかせするそう。今宵ももちろん、小澤さんにおまかせして絶品を味わう。

Location:Due Mani(盛岡市)

スパークリングと前菜、それにつづきパスタとワインを味わう。感動的な味わいである。『Due Mani』という言葉は、「ふたつの手」を意味している。「“民藝”の考え方や“手仕事”のイメージから、自分のやれる範囲で、責任を持って“まっとう”な料理を作りたい…」そんな気持ちが込められている。料理序盤にして、まさにその意味を体感させられる味わいに、筆者も、頬が落ちるとはこのことかと、思わずカメラを手放してしまう時間が増えてしまった。

Location:Due Mani(盛岡市)

一見、決して華やかという風貌の料理ではないことに気づく。言い方は悪くなるが、素朴である。しかし深いのである。どこまでもどこまでも深い味わいが湧き出て、まさに丁寧な丁寧な手仕事を感じる。料理に対する感性と探求の道のりを味に昇華していることを感じさせられつつ、これがイタリア料理というものなのかと感動が止まらない。

Location:Due Mani(盛岡市)

茶道という共通点で出会った二人が、お互いの感性を茶道を通して感じ取りつつ、それぞれの仕事にその感性を持ち帰っては手仕事に励んでいるのだろうと、深い興味と感動が巡る時間であった。ふたつの手『Due Mani』。この二人それぞれが、ふたつの手で生み出す魅力を、是非たくさんの人に感じてもらいたい。

Location:Due Mani(盛岡市)
小原良智(小庭事しみずさわ)
1983年花巻市東和町出身。テクノ・ホルティ園芸専門学校造園学科設計専攻卒業後、東京都にある(有)石正園に入社。5年間の修行後、帰郷し実家の小原造園を手伝う。2011年4月、小庭事しみずさわを主宰。https://www.folkjoe.com/yoshitomo-obara/
小澤智範(Due Mani)
1972年岩手県釜石市出身。千葉大学教育学部を卒業後、飲食業の道へ。西麻布ラ・ベファーナ(現在閉店)でローマ人シェフよりイタリア料理を学ぶ。盛岡ヴァンダンジュ(現在閉店)で7年シェフを務めた後、独立。現在に至る。

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